【12月14日 AFP】タイ政府の官報「ロイヤル・ガゼット(Royal Gazette)」は13日早朝、同国のワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)皇太子(62)の妻シーラット(Srirasmi)皇太子妃が王室の地位を返上したと公表した。

 プミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王(87)の健康状態が懸念される中、皇太子夫妻の13年間の婚姻生活が正式に終焉を迎えることになる。

 タイではシーラット皇太子妃の複数の親族が汚職容疑により相次いで逮捕され、タイのエリート層に大きな衝撃を与えていた。

 タイ王室が発表した短い声明は、「ワチラロンコン皇太子の妻シーラット皇太子妃が王室の地位を返上したと文書で通知した事実を公表することを、プミポン国王が許可した」と記し、皇太子夫妻が離婚したことをうかがわせた。

 専門家は、高齢であるプミポン国王の健康状態が悪化する中、ワチラロンコン皇太子の離婚で、タイの君主制の将来がさらに危ぶまれることになると予測している。

 シーラット皇太子妃は2001年にワチラロンコン皇太子と結婚。将来は王妃となり、9歳になる2人の息子がワチラロンコン皇太子の跡継ぎになるとみられていた。

 京都大学(Kyoto University)のタイ専門家、チャッチャワーンポンパン・パウィン(Pavin Chachavalpongpun)准教授はAFPの取材に対し、「今回の発表によってタイ国民の間に、現代だけでなく将来のタイ王室に対する懸念と不安がさらに高まった」とコメントした。(c)AFP/Jerome TAYLOR