【12月12日 AFP】オーストリアの首都ウィーン(Vienna)で、スロットマシンに莫大(ばくだい)な金額をつぎこんだ男性が、裁判所によって依存症と認定され、44万ユーロ(約6500万円)近くが返金されることとなった。男性の弁護士が11日、明らかにした。

 男性は、2006~10年にスロットマシンにつぎ込んだ80万ユーロ(約1億1800万円)の一部について、責任は自分にはないと訴えていた。

 裁判所は、精神鑑定も参考に、該当期間のギャンブル「契約」は無効だとした男性の訴えを認めた。男性の弁護士はAFPに「カジノとは違い、ウィーンではスロットマシンがある部屋への立ち入りを禁じることができない。スロットマシンはガソリンスタンドなど、街の至る所に設置されている」と語った。ウィーンには約2600台のスロットマシン機があると推定されている。

 同国の日刊紙クローネン・ツァイトゥング(Kronen Zeitung)によると、問題のスロットマシンを運営するノボマティック(Novomatic)社は判決を不服として控訴している。

 ウィーン市当局は11月、スロットマシンは主に貧しい地域を標的としているとして、来年1月1日からカジノ以外の場所でのスロットマシン設置を禁じる決定を下していた。(c)AFP