【12月12日 AFP】米アップル(Apple)の共同創業者、故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏が1976年に実家ガレージから出荷した「アップル1(Apple-1)」が11日、米ニューヨーク(New York)州で競売にかけられ、36万5000ドル(約4360万円)で落札された。歴史的価値のあるコンピューターの取引市場では競争が激化しているが、今回の落札価格は予想評価額を下回るものとなった。

 競売大手クリスティーズ(Christie's)によると、このアップル1は、カリフォルニア(California)州ロスアルトス(Los Altos)市にある故ジョブズ氏の実家ガレージから同氏が顧客に直接販売した記録が残るコンピューターとして現存する唯一のものだという。

 広報担当者はAFPの取材に、アップル1は36万5000ドルで落札されたが、落札者の詳細については現時点では公表できないと語った。

 クリスティーズはこのアップル1に対し、これまで競売に出品された同製品としては最高の40万~60万ドル(約4500万~6800万円)の予想落札価格を付けていた。

 組み立てられた状態で販売された史上初の個人用コンピューターであるアップル1は、パーソナルコンピューター革命の先駆けと位置づけられている。

 近年、歴史的に価値のあるコンピューターをめぐっては、公共の団体や施設同士の購入競争が起きており、その価格が高騰する傾向にあった。

 10月にニューヨークで開催された米競売大手ボナムズ(Bonhams)のオークションでは、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)氏が手掛けたアップル1が、米ミシガン(Michigan)州ディアボーン(Dearborn)にあるヘンリー・フォード博物館(Henry Ford Museum)により、90万5000ドル(約1億円)という驚くべき価格で落札された。

 また2013年のクリスティーズの競売では、1976年製アップル1が38万7750ドル(約4620万円)で落札され、さらに2010年にも別の同製品がロンドン(London)で21万2267ドル(約2530万円)で落札されている。(c)AFP