米、アフガンのテロ容疑者収容所を閉鎖
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【12月11日 AFP】米国が、アフガニスタンに設置していたテロ容疑者収容所から全収容者を移送し、施設の運用を停止したことが分かった。米当局者が10日、匿名を条件にAFPの取材に語った。これにより、アフガニスタン国内で米国が拘束しているテロ容疑者は一人もいなくなった。
米当局のテロ容疑者の扱いをめぐっては、米中央情報局(CIA)が「テロとの戦い」の一環として行っていた過酷な尋問の実態が9日、米上院報告書で明らかになり、国際的に非難の声が高まっている。アフガニスタンのアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)大統領もその一人だ。
アフガニスタンの首都カブール(Kabul)郊外のバグラム(Bagram)空軍基地に米軍が併設したこの収容所は、500ページに及ぶ上院報告書に「秘密収容所」の一つとして記載されている。「塩田(Salt Pit)」の通称で知られる同収容所では、直腸からの栄養注入など収容者に対する過酷な扱いがあったとされる。
人権団体は、バグラム収容所で収容者に対する虐待が行われていたと非難しており、米軍も2002年に収容者2人が殴打され死亡したと報告している。
バグラム収容所は2013年3月にアフガニスタン側に引き渡され、パルワン(Parwan)収容所と改名されたが、外国籍の収容者の拘束権は引き続き米国が維持していた。(c)AFP