【12月10日 AFP】欧州を目指し地中海(Mediterranean Sea)を渡ろうとした難民や移民と移動の際に死亡した人々の数が今年、過去最多に達したと、国連難民高等弁務官事務所(UN High Commissioner for RefugeesUNHCR)が10日、スイス・ジュネーブ(Geneva)で2日間の日程で開幕した国際会合で報告した。UNHCRは各国政府に人命救助対策の強化を求めた。

 UNHCRによると、今年1月以降に危険を冒して地中海を渡ろうとした人の数は過去最多の20万7000人以上、このうち死者は3419人に達した。これまでの最多は、リビアが内戦状態にあった2011年の7万人で今年はその3倍近くに達した。

 シリア人6万51人、エリトリア人3万4561人を含む地中海を渡ろうとした人々の大半は、イタリアとマルタに向けてリビアから出港した。仕事を求める人々などだが、最近は亡命希望者が増えている。

 また難民船の死者数は世界全体では4272人だった。

 ジュネーブで2日間の日程で行われる国際会合は、迫害や紛争、政情不安、貧困などを逃れるために海路で移動する人々を保護する方策について話し合われる。(c)AFP/Alice RITCHIE