ロシア正教会、「サウロンの目」再現計画に警告
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【12月10日 AFP】ロシア正教会(Russian Orthodox Church)は9日、J・R・R・トールキン(J.R.R Tolkien)のファンタジー小説に登場する全てを見とおす悪の目をかたどったライトアップを、モスクワ(Moscow)の高層ビルで行う計画について、実施すれば災いが起きる恐れがあると警告した。
このイベントは、トールキン作の小説「ホビットの冒険(The Hobbit)」をピーター・ジャクソン(Peter Jackson)監督が映画化した3部作の最終章『ホビット 決戦のゆくえ(The Hobbit: The Battle of the Five Armies)』の公開を記念し、地元不動産業者が計画しているもの。巨大な光る目が今週、21階建ての高層ビルの上に出現する予定だ。
原作小説の「ホビットの冒険」とその続編に当たる「指輪物語(The Lord of the Rings)」3部作では、力の指輪をつける者を見つけるために「冥王」のサウロン(Sauron)が操る「サウロンの目(Eye of Sauron)」と呼ばれる巨大な炎の目が登場する。
計画を進める不動産会社ハルズ・デベロップメント(Hals Development)の広報担当によると、モスクワでのイベントは、21階建てのビルの上に直径10メートルの球体を置き、背後から光をあてて立体的な視覚効果を作り出す予定。
だが、ロシア正教会にとって、この邪悪な目はフィクションの世界の物ではない。同教会の広報責任者、フセボロド・チャプリン(Vsevolod Chaplin)大司教はガバリート・モスクバ(Govorit Moskva)ラジオに対し「これは悪魔のシンボル(象徴)だ」と語った。
「街の上にこのような悪の勝利のシンボルが置かれ、市内で一番高所にある物体同然となる。それは善か、悪か。おそらく悪だろう。後になってこの街に悪いことが起きても、驚くべきではない」
ハルズ社によると、「目」は11日夜に点灯され、7時間にわたり続く予定。映画の宣伝が目的ではなく、シリーズのファンであるデザイナー集団が持ち込んできた企画だという。(c)AFP