【12月9日 AFP】インドの首都ニューデリー(New Delhi)で、米国発の配車サービス「ウーバー(Uber)」のタクシー運転手(32)が女性客をレイプしたとされる事件を受けて8日、ウーバーに営業停止処分を科した同市当局はさらに数時間後、インターネットを通じたタクシーの配車サービスを全面禁止した。インターネットによる配車サービスは、現地当局の規制を順守していないとしている。

 この事件についてデリー警察は「不正行為」の疑いでウーバーに対する捜査を開始し、レイプ容疑に関する事情聴取のため同社幹部の出頭を要請したと発表した。警察は、2012年に別のレイプ事件で容疑がかけられたことがあったこの運転手の経歴調査をウーバーが行っていなかったとしている。ウーバー側は、現地当局の規制に則って営業しており、運転手の経歴調査は義務付けられていないと反論している。

 米サンフランシスコ(San Francisco)に本社があるウーバーは、スマートフォンのアプリケーションを使ってタクシーを呼べるサービスで、運転手が個人所有の乗用車による営業も行っている。

 同社は広く展開し急成長しているが、欧州をはじめ現地の規制に従っていないとして競合タクシー会社から反発が起きるなど各地で緊張を生じさせている。

 8日にはオランダ当局が、タクシー営業免許のない運転手を登録させ利用料金をとっている同社のサービス「ウーバーポップ(UberPOP)」に営業停止を命じた他、同日には米オレゴン(Oregon)州ポートランド(Portland)市も規制違反として裁判所にウーバーへの営業停止命令を要請している。(c)AFP/Abhaya SRIVASTAVA