【12月9日 AFP】ルーマニア政府は8日、アフガニスタンで従軍後に病気を患い衰弱した軍用犬を救うための法改正を命じた。

 この軍用犬は、アフガニスタンで2度従軍し、爆発物の探知活動に当たった5歳のジャーマンシェパード「マックス」。国民の間ではこの「英雄犬」を救おうと熱烈な助命活動が繰り広げられ、2万7000人近くがオンライン請願書に署名した。

 ルーマニアの法律には引退した軍用犬の飼育を政府が引き継ぐための規定がない。このため、マックスは保護施設送りになるか殺処分される可能性があった。

 マックスが「自らが命を救った人々の手によって殺されようとしている」との見出しで人々の感情に訴えるメディアキャンペーンを受け、ミルチャ・ドゥシャ(Mircea Dusa)国防相は、引退した軍用犬の世話を政府が引き継ぐことを定める法改正を命じた。

 法改正は週内にも行われるという。ドゥシャ国防相はまた、飼育費を国防予算から捻出する手段を検討するよう議会の有識者らに依頼したことも明らかにした。

 現在、マックスはある動物愛好家が一時的に引き取って面倒をみており、1か月当たり約150ユーロ(約2万2000円)の費用がかかる治療を継続できるよう募金活動も行われている。(c)AFP