仏露首脳会談、ウクライナ危機打開に向け協議
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【12月7日 AFP】フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は6日、ウクライナ危機の打開を図るため欧州首脳として初めてロシアを訪問し、モスクワ(Moscow)郊外の空港にある外交用施設でロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談した。
西側諸国とロシアとの関係は、ウクライナ政府と東部の親ロシア派との対立をめぐって冷戦以来の緊張状態にあり、プーチン大統領は親ロシア派に武器や資金を供給していると欧米諸国から非難されている。
2日間のカザフスタン訪問後にロシアに立ち寄ったオランド大統領は、新たな東西分裂の発生を食い止めたい意向を示すとともに、プーチン大統領との会談が「何らかの成果」を生むことに期待を表明。「チャンスをつかむことは時として必要だ。今はそうした場面の一つであり、新たな壁がわれわれを隔てる事態を防がなければならない」と強調した。
これに先立ちウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領とも意見を交換したオランド大統領は、欧米諸国がロシアを抑え込もうとしているとの批判を先日展開したプーチン大統領に対し、「解決策をともに探し出す必要がある」と促した。プーチン大統領は、取り組みが「困難な」問題はあるものの、オランド大統領の今回のロシア訪問が「多くの問題解決に寄与するのは間違いない」とコメントした。
会談は2時間近くに及び、終了後にプーチン大統領は記者団に対して「ウクライナの指導者と、ドネツク(Donetsk)やルガンスク(Lugansk)の親ロシア派の指導者の双方が、(停戦協定を)完全に順守しているわけではない」と語った。親ロシア派がウクライナとの停戦協定に違反していることを、プーチン大統領が初めて認めた決定的発言となった。
一方、ウクライナ政府は、9月に結ばれながら実効性のない停戦合意の救済を図るため、9日からベラルーシの首都ミンスク(Minsk)で親ロシア派と新たな和平協議を行うと発表した。親ロシア派とは、この日からあらためて停戦することでも合意している。(c)AFP/Hervé ASQUIN and Nicolas MILETITCH with Sergiy BOBOK in Chuguiv