【12月7日 AFP】アフリカ・ケニアの首都ナイロビ(Nairobi)で先週、サイバー犯罪網を組織していたと思われる中国人77人が逮捕された件について、中国当局は5日、捜査への全面協力を約束した。

 拘束されたのは中国当局の情報要員ではないかというケニア側の懸念の払しょくに努めるかのように、在ケニア中国大使館は声明で、初動捜査によれば「通信詐欺事件」であると発表した。

 報道によると中国人たちがいたのは国連(UN)ナイロビ事務局や米国大使館などがあるギジリ(Gigiri)地区に隣接するナイロビ北部郊外の高級住宅街ルンダ(Runda)地区の複数の住宅。

 ケニア当局によれば逮捕された77人の中国人は、これらの住宅でコンピューターへの不法侵入(ハッキング)を行う謎の「指令センター」を運営していたという。これを受け、ケニア外務省は駐ケニア中国大使を呼び、中国当局の関与が一切ないことの確認を求めた。中国はケニアと関係が深く、ケニアへの投資額も大きい。

 現地警察によれば、一味は「ケニアの通信システムへの攻撃を準備していた」という。一連の家宅捜査で、銀行口座や現金自動預払機(ATM)、さらにケニアのモバイルバンキング・システム「Mペサ(M-Pesa)」への侵入を可能にする装置が発見されたと報じられている。

 家宅捜索のきっかけとなったのは、コンピューターの発火が火元と思われる住宅火災で、これにより中国人1人が死亡している。この火事から、多数の中国人が「軍隊の兵舎」のような状態で居住していることが発覚した。(c)AFP