【12月6日 AFP】ロシアの列車の運転士が線路上にいたクマを故意にひき殺したと思わせる動画が動画共有サイトユーチューブ(YouTube)に投稿され、注目を集めている。現地の検察当局は違法行為がなかったか調査を始めた。

 問題の動画は、雪の積もった場所でスピードを上げる列車の先頭車両から撮影されたもの。背中に雪がかかったクマが、列車から逃れようと列車の進行方向に向かって走っているが、すぐに列車に追いつかれてしまう。

「静かに!」と言う男の声の後、同じ声で「ひき殺せ!ひき殺せ!」という叫び声が録音されていた。クマの姿が列車の前部の下に隠されて見えなくなると、男は「やったぜ!」と叫んだ。

 この動画を撮影した携帯電話が列車のフロントガラスに映っていた。動画の最後では計器盤のボタンが見え、この動画が運転席で撮影されたことが分かる。この動画はユーチューブで17万回以上再生された。

 ニュース専門テレビ局「ロシア24(Rossiya 24)」はこの動画を「悪魔の所業」と呼んで批判した。

 モスクワ(Moscow)から北東に約3000キロ離れたシベリア(Siberia)の都市ノリリスク(Norilsk)の交通検察当局によると、動画は現地時間今月4日の午前2時ごろ、露金属鉱山大手ノリリスク・ニッケル(Norilsk Nickel)が使っているノリリスク市内の専用線で撮影されたとみられている。

 交通検察当局者は、運転士は衝突を避けようとせずに故意にスピードを上げたとみられることから、運転士の行為が適法だったか調べていると述べた。

 ノリリスク・ニッケルの広報は、ガバリート・モスクバ(Govorit Moskva)ラジオに、現地の従業員に問い合わせたところ、クマは先頭車両についている雪よけの板に当たって線路脇に転がされ、死んではいないということだったと述べ、おそらくけがの程度も軽いだろうとの見方を示した。

 ニュースサイト「Gazeta.ru 」はノリリスク・ニッケルのスタッフの話として、けがをしたクマは凶暴になり人間に危険を及ぼす恐れもあるため、このクマをさがしていると伝えた。

動画は以下のリンク先で見ることができる。
https://www.youtube.com/watch?v=ovuxvYLU1A0

(c)AFP