【12月6日 AFP】中国国営メディアは6日、中国共産党の中央政治局常務委員会(Politburo Standing Committee)のメンバーだった周永康(Zhou Yongkang)前党中央政法委員会書記が逮捕され、党籍を剥奪されたと報じた。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、周氏は「党と国家の機密を漏えいさせた」ほか、「個人的に、または親族を通じて、巨額の賄賂を受け取っていた」とされる。党籍の剥奪により、同氏が刑事訴追される道が開かれたことになる。中国では大抵の場合、刑事訴追されれば有罪となり、実刑判決を受ける。

 中央政治局常務委員会は、5日に開いた政治局会議で周氏の党籍剥奪を決定した。2012年に政治局常務委員を引退した周氏については、収賄の疑いなどで捜査が進められていたが、捜査の対象となる共産党員としては、文化大革命を主導し、1980年に裁判にかけられた中国建国の父、毛沢東(Mao Zedong)の妻だった江青(Jiang Qing)を含む「4人組(Gang of Four)」以来、最高位の人物となる。

 習近平(Xi Jinping)国家主席は就任以来、汚職撲滅に向けた取り組みを推進しており、周氏については今年7月、「重大な規律違反」の疑いがあるとして、調査を開始していた。

 中国の「石油閥」の中心人物である周氏は、野心的政治家として知られたものの昨年行われた裁判で終身刑の判決を受けた薄熙来(Bo Xilai)元政治局員と近い関係にあった。(c)AFP/Felicia SONMEZ