【12月5日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は4日、年次教書演説を行い、ますます国力を増大させているロシアを抑え込むために欧米諸国がウクライナ危機を利用していると批判するとともに、編入したクリミア(Crimea)半島はロシアにとって「神聖な」土地であり、そのように扱っていくと述べた。

 絢爛(けんらん)なクレムリン(Kremlin)宮殿内のホールで上下両院議員、政府高官、その他の要人ら数百人を前に行われた演説の中でプーチン大統領は、ロシアの対ウクライナ政策の妥当性を改めて強調。一方で、欧州連合(EU)や米国との衝突はあるものの、西側との関係を断ち切るつもりはないという考えを示した。

 欧米が科している制裁については、「ロシアが強くなりすぎ、独立性が高まりすぎると感じると、直ちにこういった手段を講じてくる」と指摘し、圧力に屈するような態度はほとんど示さなかった。

 さらに、こういった制裁と石油価格の低迷で景気が後退する中、ロシアが困難に直面しているという見方は否定。「ロシアはあらゆる課題に真っ向から取り組み、それを乗り切る用意がある」と強気な姿勢を貫いた。

■「神聖なるクリミア」

 プーチン大統領は今年3月のクリミア編入以降、非常に高い支持率を誇っている。この日の演説で感情に強く訴え掛ける表現を多用したプーチン氏はクリミアについても、エルサレム(Jerusalem)の「神殿の丘(Temple Mount)」と同様にロシアにとって「神聖な」歴史的重要性を持つ土地だと訴え、「今もそしてこれからも、(クリミアを)このように取り扱っていく」と断言した。(c)AFP/Anna Smolchenko