【12月4日 AFP】米国の17州が3日、不法移民500万人に滞在を認める移民制度改革をめぐり、バラク・オバマ(Barack Obama)政権を提訴した。

 訴訟を率いるテキサス(Texas)州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)司法長官は声明で、オバマ大統領が野党・共和党による議会での法案通過の妨害を回避するため大統領権限で一方的に決定した移民制度改革は、合衆国憲法を「踏みにじる」ものだと批判。「大統領は、議会が正当な手順に基づいて成立させた法律を正確に施行するという自らの責任を放棄し、その権限がないにもかかわらず、移民法を書き換えようとしている」と述べた。

 論争を呼んでいるオバマ大統領の制度改革の下では、米国内に5年以上居住し、米国の市民権保有者または合法居住者である子どもを持った数百万人の不法移民に対し、3年間の滞在許可が与えられる。大統領はこの改革により、メキシコ国境に振り向ける資産を増やし、国外退去処分は重罪犯の追放を優先させるとしている。

 だが、移民制度改革を実現させるためオバマ氏が大統領権限を行使したことに対しては、発表直後から「違法」や「憲法違反」といった批判が噴出していた。(c)AFP