【12月3日 AFP】(一部更新)香港(Hong Kong)市街を占拠した民主派デモを呼び掛けた市民グループ「オキュパイ・セントラル(Occupy Central、中環を占拠せよ)」の共同発起人3人が3日、市中心部の警察署に出頭した。3人は、2日に行政庁舎前でデモ隊と警官隊が激しく衝突し数十人の負傷者が出た後、2か月以上に及んだ街頭での抗議行動の中止を呼び掛けており、その象徴的な意味合いがある。

 運動の象徴となった黄色の傘を持つ支持者数十人が、「恐怖のない真の民主主義を望む」とスローガンを叫びながら、警察署に入る3人を見送った。

 だが発起人の3人、ベニー・タイ(Benny Tai)氏、陳健民(Chan Kin-man)氏、朱耀明(Chu Yiu-ming)氏はまもなく警察署から出てきて、「無許可の集会に参加」したことを認めたものの逮捕されなかったと語った。

「われわれは逮捕されなかった。われわれの自由になんの制約も課されることなく、退出を認められた」とタイ氏は述べ、「この問題が今回で解決したとは思っていない。いずれ逮捕されるかもしれないし、あるいはもっと重い罪状で起訴されるかもしれない。成り行きを見守る必要がまだあるだろう」と付け加えた。

 3人に同行して、ローマ・カトリック教会の元香港教区司教で、民主化運動の支持者で中国本土の批判者として知られる陳日君(Joseph Zen)枢機卿も警察に出頭した。また警察署の外に集まった支持者らも、出頭のための書類を書き込むために列を作っていた。

 共同発起人3人に対する逮捕状は出されていないが、香港当局と中国当局はこれまで、抗議行動を違法行為として繰り返し非難してきた。(c)AFP/Dennis CHONG