【12月3日 AFP】英物理学者のスティーブン・ホーキング（Stephen Hawking）博士（72）が利用しているコミュニケーションのための技術が、来年1月より誰でも利用できることが2日、明らかになった。このソフトウエアは、インターネットを通じて入手可能になるとされる。運動神経系疾患に苦しむ数百万人にとっては朗報だ。

 同博士は英ロンドン（London）の記者会見で、米半導体大手インテル（Intel）の決定を歓迎した。「この技術が無料で提供されることで、世界中の障害者の生活が大幅に改善される可能性が出てきた」と語り、「これがなければ、私は今日こうして皆さんに話をすることすらできなかった」と続けた。同博士は、21歳のときに運動神経系の疾患の一種で難病の筋萎縮性側索硬化症（Amyotrophic Lateral Sclerosis、ALS）と診断されている。

 このソフトウエアはインターネットからオープンソースとして提供される。ただし、個々のユーザーに向けた調整作業は必要だという。

 英ケンブリッジ大学（University of Cambridge）で教えているホーキング博士は、めがねに取付けた赤外線スイッチを利用して文字を選択するチークセンサーを使い、コンピュータ上で文章を書いている。

 博士が現在使っているシステムは、インテルが3年がかりで開発したもので、単語をつづるために必要な動作を減らしただけでなく、Eメールの添付ファイルを送るといった機能も新たに追加されたという。(c)AFP