【12月3日 AFP】フランスの国民議会(下院)は2日、パレスチナを国家として承認するよう政府に働き掛ける動議を可決した。これを受けてイスラエルは、そのような「一方的な措置」は中東和平の努力を阻害しかねないと即座に怒りをあらわにした。

 下院議員らは、「紛争の根本的な解決」を目指していくための方策として、賛成339、反対151でこの動議を可決。同様の動議は、英国とスペインでも可決されている。

 これは政府に対し法的拘束力を持つものではないが、欧州諸国が、頓挫している中東和平プロセスを再開させるための代替策を模索している時にあって、象徴的な意味は大きい。

 憤然としたイスラエルは直ちに、地域に「誤ったメッセージ」を伝え、和平へ向けた動きに逆効果を及ぼしかねないという見方を示した。在仏イスラエル大使館は声明で、「国民議会が可決した動議は、イスラエルとパレスチナが和平協定を締結する可能性を低くするものだ」と批判した。

 一方パレスチナ側の指導者らは、この動議に対し謝意を表明するとともに、フランス政府に対し「動議の内容を実行に移す」よう促した。

 パレスチナは、ガザ地区(Gaza Strip)とイスラエルが実効支配しているヨルダン川西岸(West Bank)に国家を樹立し、東エルサレム(East Jerusalem)を首都とすることを悲願としている。しかし合意に向けた前進はほぼないに等しく、国家として認めてもらえるよう諸外国に要請する活動を続けている。パレスチナ自治政府はこれまでに135か国から国家承認が得られたとしているが、この数については異議も唱えられている。(c)AFP/Richard CARTER