【12月2日 AFP】国連(UN)の世界食糧計画(World Food ProgrammeWFP)は1日、内戦を逃れて周辺国に避難しているシリア難民170万人以上への食料支援を資金不足のため中断したことを明らかにした。

 ヨルダン、レバノン、トルコ、イラク、エジプトのシリア難民に年末まで食料配給券を支給し続けるのに必要な6400万ドル(約76億円)が緊急に拠出されなければ、難民たちは今冬を飢えて過ごすことになるという。

 こうした事態に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)高等弁務官は声明で「至急、国際社会にお願いしたい。今すぐWFPを支援してください。このまま難民たちを飢えさせてはいけない」と訴えた。

 内戦が始まってからの3年半、WFPはシリア国内の数百万人の避難民に加え、レバノン、ヨルダン、トルコ、イラク、エジプトに逃れた最大180万人の難民に食料支援を行ってきた。WFPのアーサリン・カズン(Ertharin Cousin)事務局長は、シリア難民への食料供給が滞れば、難民たちの健康が危機的状況に陥るだけでなく、難民受け入れ国の社会不安や治安悪化につながると懸念を示した。(c)AFP