【12月1日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は11月30日、世界のイスラム教指導者らに向けて、イスラムの名の下に行われているテロリズムを「明確に」否定するよう呼び掛けた。

 法王の発言は、3日間のトルコ訪問を終えて伊ローマ(Rome)に戻る機内で行われた記者会見で、「イスラム国(Islamic StateIS)」などのジハード(聖戦)を掲げたイスラム過激派組織への対応についての質問に返答したもの。

 法王は28日に行われた非公開会合でトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に伝えたとされる見解を繰り返す形で、「政治、宗教、学問の分野における世界のイスラム教指導者たちが、(イスラム教を損なう暴力行為を)はっきりと否定したならば、いかに素晴らしいことかと、彼(エルドアン大統領)に申し上げた」と述べた。

 さらに法王は、こうしたイスラム教指導者たち自身の口から発せられる過激派への批判の声は「多くのイスラム教徒を助けることになるだろう。われわれは皆、世界規模での(イスラム過激派に対する)非難を必要としている」と付け加えた。

 法王はトルコ訪問最終日となった30日、イスタンブール(Istanbul)で東方正教会のコンスタンチノープル総主教バルトロメオス1世(Bartholomew I)と共に、キリスト教徒に対する暴力を非難する異例の共同声明を発表。その中で、「キリスト教徒が存在しない中東を容認することはできない。キリスト教徒らは同地域で2000年も前からイエス・キリストの名による信仰を続けてきた」と明言し、中東からキリスト教を追い出すことは許されないとの見解を表明した。(c)AFP