【11月28日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は27日、ブラジルのアフリカ式格闘技舞踏カポエイラ、エストニアの中世のスモークサウナ、カザフスタンやキルギスの遊牧民のユルト(テント式住居)などを無形文化遺産に登録した。

 仏パリ(Paris)に本部を置くユネスコは今週、約40件の候補を検討し、北朝鮮の民謡アリランやアルメニアの伝統的なパン「ラバシュ」などが無形文化遺産として登録するに値すると評価された。

 存続が危ぶまれる伝統の保護を目的とした名誉あるこのリストには、日本の伝統的な手作りの和紙やブルンジの太鼓を用いた儀式舞踊など、新たに18件が登録された。

 ユネスコのセシル・デュベル(Cecile Duvelle)無形文化遺産課長はAFPに対し、「大海の一滴かもしれないが、少しずつ前進している。世界の国々は、彼らの遺産が人類全体にとって重要であることを認識しつつある」と語り、リストは「観光のためではなくアイデンティティー(独自性)のためのもの」と説明した。

 ユネスコは、ブラジルの格闘技舞踊カポエイラが登録された理由について、「複数のコミュニティー間の敬意を確認する機能も果たしている」としている。

 また、太鼓や笛に合わせて歌い、踊るチリの男性音楽家の集団バイレ・チノ(Baile Chino)については、「社会の統合や団結のモデルとしての機能を果たしている」としている。(c)AFP