【11月26日 AFP】この数十年間でハチの生息数が減少しているのは、生態系の多様性が失われ、ハチが好む授粉植物が消失していることが主な原因だとする研究結果が24日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表された。

 オランダ・アルテラ研究所(Alterra Research Institute)の環境学の専門家、ヤルン・シェーパー(Jeroen Scheper)氏らの研究チームが、同国の自然史博物館に保存されていた1950年以前に採集された野生のハチ57種の体内に残っていた花粉を分析したところ、ハチが授粉する植物には一定の好みがあった。

 研究によると、「ハチが好む植物が減るにつれ、飼育されているハチ、野生のハチ、両方が減っていった」という。また大きいハチほど生きていくためにより多くの花粉を必要とするため、ハチの体の大きさも生息状況を左右するという。

 ハチの自然の生息環境である草原が集約農業に使われるようになり減ったことで、生態系内の種の多様性が減り、ハチの食料源が失われる結果となっている。

 飼育されているハチの減少ではもう一つ、ハチが大量にいなくなる謎の現象、蜂群崩壊症候群( Colony Collapse DisorderCCD)が脅威となっている。この現象は殺虫剤や汚染との関連が指摘されている。(c)AFP