【11月26日 AFP】フランス政府は25日、ロシアから受注していたミストラル(Mistral)級強襲揚陸艦の引き渡しを、ウクライナ情勢を理由に「当面延期する」と発表した。

 フランスはロシア向けの強襲揚陸艦を2隻建造している。フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は声明で、「ウクライナ東部の現状は、1隻目の引き渡しに適したものでなはない」と述べ、輸出許可を認めるか否かについての決定を「当面、延期することを決定した」と明らかにした。

 ロシアはフランスに対し、11月末までに1隻目の引き渡しを行わなければ「深刻な」結果を招くことになると警告していたと伝えられている。

 ただ、今回の仏政府の発表に対するロシア側の反応は比較的穏やかだ。ユーリイ・ボリソフ(Yury Borisov)国防次官は「直ちにフランスを契約違反で訴えるつもりはない」と述べた。

 ミストラル級強襲揚陸艦は、ヘリコプター16機と上陸用舟艇4艇、戦車13両、兵士約450人を輸送できるほか、病院船としての機能も持つ。仏露両国が2011年に締結した契約では、1隻目は今月に引き渡される予定だった。(c)AFP/Richard Carter with Anna