【11月26日 AFP】香港(Hong Kong)で民主派デモの参加者100人以上が逮捕された前日から一夜明け、26日には再びデモの一大拠点を排除しようとした警官隊とデモ隊の間で衝突が発生した。

 9月28日に座り込みが始まって以来、両者の最も激しい衝突地点となってきた繁華街・旺角(モンコック、Mongkok)地区の民主派デモの最大拠点では、市当局の職員らにバリケードを撤去させまいとして群衆が押し寄せたが、職員らを守るためにヘルメットをかぶり、警棒を持った警察官たちが介入した。

 この撤去作業には警官数百人が動員され、抗議する人々を素早く押しのけると、道路上約500メートルにわたってあった木材や金属製の柵で組まれたバリケード、テント、その他の障害物を撤去した。作業開始から約2時間後には、デモの拠点があった場所の片隅で数十人が抗議するだけとなった。抗議に参加していたケルビン・ングさん(21)は「ここがなくなっても、僕たちの心が失われるわけではない。僕たちは(占拠のために)どこへだって行ける」と語った。

 香港の民主派は、完全な自由選挙による次期行政長官選挙の実施を求め、約2か月にわたり香港市内の各所で野営による占拠を続けてきた。

 警察発表によると、今回の撤去作業での逮捕者は116人。中には14歳の少年も含まれている。また警官20人が負傷したという。

 民主派側によると、学生リーダーのジョシュア・ウォン(Joshua Wong、黄之鋒)さんとレスター・シュム(Lester Shum、岑敖暉)さんも逮捕されたという。また香港記者協会(Hong Kong Journalists Association)は、取材で現場にいたテレビの取材班の1人が逮捕されたとして警察を非難している。(c)AFP/Dennis CHONG