【11月26日 AFP】米国のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者の70%が、ウイルスの管理を適切に行っておらず、感染のリスクを増加させているとした調査報告が25日に発表された。

 米疾病対策センター(US Centers for Disease Control and PreventionCDC)によると、120万人のHIVウイルス感染患者の大多数は、2011年の時点で、治療を受けていないか、薬を服用していなかった。

「最新の検査と治療により、伝染病を低減できる潜在的な可能性があるにもかかわらず、その機会はあまりにも多く失なわれている」とCDCのジョナサン・マーミン(Jonathan Mermin)氏は指摘。HIV/AIDS、ウイルス性肝炎、STD(性感染症)、結核など感染症の予防を目的とする「National Center for HIV/AIDS, Viral Hepatitis, STD, and TB PreventionNCHHSTP」の代表を務める同氏は、「治療は不可欠。新たなHIV感染を阻止するために、最も重要な戦略のひとつです」と説明する。

 調査によると、ウイルスを適切に管理していないとされる84万人のうち、66%は感染と診断されているが定期的な治療を受けていなかった。20%は自分の感染について知らなかったとされる。また感染者の4%は治療を受けているが、抗レトロウイルス薬(ARV)は処方されていなかった。10%の感染者については治療を受けているが、それでも感染を抑制しきれていないという。(c)AFP