黒人青年射殺の警官、口論後に12発発砲 米ミズーリ
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【11月25日 AFP】米ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)で今年8月、黒人青年マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(当時18)が白人警察官に射殺された事件で、地元検察当局は24日、同警察官が事件当時、ブラウンさんと口論になった後に、銃を12発発砲していたことを明らかにした。
同州セントルイス(St. Louis)郡検察のロバート・マカロック(Robert McCulloch)検察官は、ブラウンさんを射殺したダレン・ウィルソン(Darren Wilson)氏を不起訴とする判断を大陪審が下したと発表した後、陪審員らにはこれまで公開されていなかった証言の内容が知らされていたことを明らかにした。
大陪審に提示された証拠は、ウィルソン氏の行為が正当防衛に当たることを示していると、同検察官は述べている。
マカロック検察官によると、警察車両で巡回していたウィルソン氏は、車道を歩いていたブラウンさんが、シガリロ(細い葉巻き)の盗難事件の容疑者の可能性があると判断。ブラウンさんに対し歩道に移るよう指示したが、ブラウンさんとその知人はそのまま車道を歩き続けた。
ウィルソン氏はすれ違いざまに、ブラウンさんの手にシガリロがあるのを確認し、署に報告した。その後、車内にいたウィルソン氏と、車窓付近に立っていたブラウンさんとの間で「口論」があったという。
マカロック検察官が新たに公開した、事件直後に撮影されたウィルソン氏の写真には、右ほほに残されたごく軽い打撲傷が写し出されている。
この口論の間に、ウィルソン氏は車内から2発発砲。その後、車を降りてブラウンさんを追跡し始めた。ブラウンさんはある時点でウィルソン氏に向かってきたため、ウィルソン氏はさらに10発発砲。ブラウンさんはうち6発を体に受け死亡したとされる。
8月の時点で寄せられた目撃証言では、ブラウンさんは撃たれた時、両手を上にあげて降伏の合図をしていたとされていたが、マカロック検察官は、これとは矛盾した物的証拠や他の目撃証言の存在を指摘している。(c)AFP