【11月25日 AFP】イランの核開発をめぐって協議を続けていた主要国とイランは24日、交渉期限を迎えたものの包括的な合意と12年に及ぶ対立の解消には至らず、協議の期限を来年7月1日に延長すると決めた。

 国連安全保障理事会(UN Security Council)の常任理事国である米・露・中・英・仏にドイツを加えた6か国、いわゆる「P5+1」の各外相がオーストリアの首都ウィーン(Vienna)で5日間に及ぶイランとの集中協議に臨んだが、合意には至らなかった。

 しかし協議後ウィーンで記者会見したジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官と、イランの首都テヘラン(Tehran)で国営テレビに対し発言したハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領はいずれも、これまでの協議で実質的な進展があり、最終的には必ず合意に至れるはずだという期待を示した。

 交渉期限が延長されるのは今年2回目。関係者らによると、イランと主要6か国は、来年3月までに合意の概要を定め、7月1日までに詳細を詰めた最終合意にこぎ着けたい考えだという。

 主要国側は、イランが核の平和利用を口実に兵器を開発するのではないかという懸念を示しているが、イラン側はこれを否定し続けている。合意が結ばれれば、この疑念の払拭(ふっしょく)につながる。

 またイランにとっても厳しい制裁の緩和が見込め、戦争が取り沙汰されることもなくなり、かつて互いを「悪の枢軸」や「大悪魔」と非難し合った米国とイランとが新たな協力の時代に入ることを促す可能性もある。

 米ABCテレビのインタビューでバラク・オバマ(Barack Obama)大統領も23日、合意に至れば「イランと世界、そして同域との関係が変わり始める」プロセスのきっかけにつながると述べた。(c)AFP/Simon Sturdee and Lachlan Carmichael