【11月22日 AFP】(一部訂正)神に収穫を感謝する感謝祭(Thanksgiving Day)の祝日を今月27日に控えた米国で、大量の食品を無駄にする習慣を見直そうとの動きが高まりを見せている。

 米環境保護局(US Environmental Protection AgencyEPA)が21日に発表したところによると、米国では年間およそ3400万トンの食品が廃棄されている。これは国内で生産・収穫・購入された食品の21%に相当し、金額では13億ドル(約1530億円)になるという。一方、米国では現在、6人に1人が飢えに直面している。

 EPAは今週、食品廃棄物とごみ廃棄場で廃棄された食品から排出される温室効果ガスの関連性に対する関心を高めることを目的としたソーシャルメディアを活用したキャンペーンを開始した。

 食品廃棄物はメタンガスの主要な発生源となっている。EPAはホームページで、「(メタンガスが)地球温暖化に与える影響は二酸化炭素の21倍」と説明している。

 EPAのマティ・スタニスラウス(Mathy Stanislaus)長官補は報道陣に対し、「環境保護のため個人と企業にできることがある」と発言。無駄にする食品を減らすことで、一般的な4人家族の世帯で年間1600ドル(約19万円)を節約することも可能だと指摘した。

 首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)にあるナショナル・ジオグラフィック博物館(National Geographic Museum)では21日、首都周辺の地域を中心に活躍する著名シェフでレストランオーナーのキャサル・アームストロング(Cathal Armstrong)氏がEPAのキャンペーンに協力し、家庭で食材を無駄にしないための方法を紹介した。

 博物館で開催中の世界の食品を紹介する展示会の会場に設置されたキッチンで料理を作ってみせたアイルランド出身のアームストロング氏は、ロブスターのビスク(主に甲殻類で作る濃厚なスープ)を作りながら、「ごみ箱は最後の最後の最後に使うものなんですよ」と、捨ててしまいがちな食材をおいしく調理する方法を実演した。(c)AFP