タカタのエアバッグ問題、幹部が米公聴会で自社対応を擁護
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【11月21日 AFP】日本の自動車部品メーカー、タカタ(Takata)製のエアバッグに欠陥があり複数の死傷事故につながったとされる問題で、米上院が開いた公聴会にタカタの清水博(Hiroshi Shimizu)品質保証本部シニアバイスプレジデントが出席し、被害者に謝罪する一方、会社としての対応を擁護した。
清水氏は、上院商業科学運輸委員会の公聴会で、タカタ製エアバッグの「例外的な不具合」によって米国内で3人が死亡した事故に対しては責任を負うと発言。しかし、自動車メーカー大手10社が少なくとも過去10年間に製造した数百万台の車に採用されたエアバッグについては、自社に全面的な責任があるとは認めなかった。
また、タカタ製のエアバッグを搭載した全車両を全米でリコール対象とする米道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration、NHTSA)の指示についても、同意できないとの見解を示した。
タカタは自社製エアバッグが異常爆発し、ガス発生装置が破裂して部品が飛び散る不具合があることを認識しながら、長年にわたって公表せずにいたとして批判されている。
公聴会で清水氏は、報告された全ての不具合と、死傷者が出たことについて「深く謝罪する」と述べた一方、自社製品にからむ死亡事故としては3件を認識しており、他の2件は現在調査中だと説明した。また、タカタがエアバッグに2件の不具合があることをかねて把握していたことは認めたが、いずれも「例外的な不具合」だったと主張した。
公聴会では、ホンダ(Honda)車を運転中に事故を起こし、破裂したエアバッグから飛散した金属片で右目を失明したステファニー・エルドマン(Stephanie Erdman)さんが証言。「車体の前面に軽い衝撃を受けた程度の事故で、ヘッドライトも破損しなかった。助手席にいた人は、軽い擦り傷とあざができただけ。失明するようなけがをするはずがなかった」と被害を訴えた。(c)AFP