【11月21日 AFP】イタリアサッカー連盟(FIGC)は20日、凋落しつつあるセリエAのてこ入れ策として、各チームの保有選手の上限を25人にするなど、複数の改革案が承認されたことを発表した。

 W杯ブラジル大会(2014 World Cup)でイタリア代表が2大会連続となるグループリーグ敗退に終わり、危機に瀕するセリエAに対して、ここ数か月でトップレベルの選手をはじめ、監督、解説者が不満を口にしている。

 イタリア代表のアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督は、イタリアの選手といえば以前まで対戦相手を震え上がらせていたものの、今ではそうした選手が「絶滅しかかっている」と嘆いている。

 また、昨季までユベントス(Juventus)でプレーしたファビオ・クアリアレッラ(Fabio Quagliarella)は、セリエAには「使えない」外国人選手が多すぎるせいで、同等の実力を持ったイタリア出身選手が2部や3部でくすぶる羽目に陥っていると主張した。

 そうしたこともあってか、20日に行われたFIGCの会合では、保有上限を25人にする案が投票で承認された。さらに、そのうち4人がイタリア出身選手、もう4人がそのクラブのユース出身選手でなければならない。

 この改革案は2016年から施行される予定だが、セリエAのマウリッツィオ・ベレッタ(Maurizio Beretta)会長は歓迎の意を示している。

「とても重要な改革だ。イタリアサッカーやユース選手、草の根のシステムを強化できるだろう」

「どれももう何年もの間、宙に浮いた状態だったから、あるべきところに納め、きちんと機能させるには時間がかかる。短期間で結果が出ることを期待してはいけない」

 FIGCのカルロ・タベッキオ(Carlo Tavecchio)会長は、セリエAの改革を公約に掲げ、昨年夏に行われた会長選に勝利しており、今回の案件はその一つとなる。

 FIGCはそのほかに、欧州連合(EU)圏外の選手についての改革案も発表したが、こちらは大きな変更ではなく、新たな制限が設けられた。

 この制限によると、若手選手が初めてイタリアのプログラブに登録する場合、イタリアの居住権を得ている、つまりスポーツ以外の理由で両親とともに同国へ移住し、学校教育を最低でも4年修了していることが求められる。

 また、EU圏外の選手については現在も枠が設けられているが、2016年以降はプロとして最低3年を過ごした選手が、別のEU圏外の選手と入れ替わりで加入する場合に限り、移籍が認められるようになる。(c)AFP