米国防総省が「飛行空母」案を公募
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【11月19日 AFP】航空機が発着する母艦自体が飛行能力を持つ「飛行空母」の開発案の公募を、米国防総省の研究機関・米国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency、DARPA)が開始した。
飛行空母構想は、巨大な母艦が航空機を送り出す、映画『アベンジャーズ(The Avengers)』やコンピューターゲーム『スタークラフト(StarCraft)』のSF的な映像を想起させる。
DARPAは現時点では試作艦の建造は計画しておらず、純粋に飛行空母の可能性を机上で検討することが目的だとしている。DARPAの構想図には、輸送機「C130」に似た機体から無人機「プレデター(Predator)」や「リーパー(Reaper)」のような一隊が発進する場面が描かれている。
計画の責任者であるダン・パット(Dan Patt)氏は「小型機の機動性を高めたい」と述べ、有力な案として「既存の大型航空機を最小限の改造で空中空母にする」方法を挙げた。
米軍が飛行空母の開発を試みたのは今回が初めてではない。1920年代後半には、海軍が複葉戦闘機「スパローホーク(Sparrowhawk)」の収容と発着が可能な飛行船を開発。2機が建造されたがいずれも墜落事故を起こし、多数の死者も出たため計画は中止となった。
また60年代には米中央情報局(CIA)が偵察用無人機の草分けとなる「D-21」を米航空防衛機器大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)(当時はロッキード社)に秘密裏に開発させたが、このD-21は別の機体から発進するように設計されていた。中国上空を偵察したD-21にカメラを投下させて回収し、D-21は自爆させる構想だったが、4度の実験は自爆やカメラ回収の失敗に終わり、計画は1971年に廃止となった。(c)AFP/Dan De Luce