【11月18日 AFP】今学期の最終日を迎えたケニアの小学校は、女子児童の保護者らに対し「女子割礼は犯罪にあたる」として、学校が休みの期間中に割礼を行わないよう書面で厳重に警告した。

 死亡例もある危険な女子割礼には、陰核の一部の切開や切除、女性器全体の切除などがあり、ケニアでは禁止されているものの依然として一般的に行われている。ケニア検察局は、学校が長期の休みになる12月は「女子割礼(女性器切除、FGM)や幼い少女の強制結婚が多く行われる時期」だとして「深刻な懸念」を表明している。

 検察局でFGM対策部を率いるクリスティン・ナンジャラ(Christine Nanjala)氏は、女子児童の保護者や医療関係者らに宛てた書簡の中で、FGMや未成年者の結婚が一般的に行われている地域社会を当局は監視しており「これらに関与した全員に対し、法的措置を講じる」と警告した。

 ケニアでは2011年にFGMが非合法化され、処置を行った医師には最低3年の禁固刑または罰金が科されることになっている。さらに処置を受けた女子が死亡した場合には終身刑となる。

 世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、アフリカ・中東地域の29か国ではこれまでに1億2500万人以上が女子割礼を受けている。WHOは、この風習は女性に対する「人権侵害」だとして厳しく非難している。(c)AFP