エルサレムのバスに運転手の遺体、「自殺」説にパレスチナ人反発
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【11月18日 AFP】エルサレム(Jerusalem)で16日、パレスチナ人バス運転手が担当車両の中で首をつった状態で見つかった。イスラエル当局は自殺と断定したが、これに反発した住民らが翌17日に警察と衝突した。死亡した男性の同僚は、他殺に見えたと話している。
死亡したのはイスラエルが実効支配している東エルサレム(East Jerusalem)のオリーブ山(Mount of Olives)にあるアットゥール(Al-Tur)に住むユザフ・ハサン・アルラムニ(Yusuf Hasan al-Ramuni)さん(32)。警察の発表によると、イスラエル領西エルサレム(West Jerusalem)の産業地区ハーホツビム(Har Hotzvim)のバス車庫で16日、上司が遺体を発見した。
警察は、当局が遺族の同意を得て翌17日に検視を行った結果、犯罪があったことを示す証拠は見つからなかったと発表。これに対し家族は、2児の父であるアルラムニさんが自殺したとは考えられないとしている。
アルラムニさんの兄弟はAFPの取材に対し「子どももいて幸せに暮らしていた。自殺するはずがない」と話し、遺体にはあざがあり、亡くなる前に拷問を受けた可能性があるとして、家族は自殺という検視結果を受け入れられないと述べた。
アルラムニさんの同僚のバス運転士もAFPに対し、「遺体に暴力を受けた痕があったのを見た」と当局の発表とは食い違う証言をした。「バス後部の階段の上で首をつった状態だった。自分で首をつるのは不可能な場所だった」という。
17日に執り行われた葬儀には数千人が参列。一部には「復讐(ふくしゅう)」を叫ぶ人たちもいた。ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は「この人種差別に基づく残忍な犯罪に対し怒りを表に出す」ようパレスチナ人に呼び掛けた。(c)AFP