【11月18日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が斬首したと主張している米国人援助活動家、ピーター・カッシグ(Peter Kassig)氏らの殺害に西洋人の戦闘員らが関与している疑いがあるとして、当局は17日、捜査に乗り出した。

 イスラム国が公開した、カッシグ氏を殺害し、シリア人兵士ら少なくとも18人を同時斬首する動画は世界を戦慄(せんりつ)させた。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領はこれを「極悪非道の所業」と非難した。

 動画には、地面にひざまずいたシリア人兵士ら一人一人に割り当てられた「処刑」担当者らが顔を覆わずに写っている。この「処刑」担当者らの中には複数の西洋人が含まれており、うち少なくとも1人はフランス人で、他に英・豪・デンマーク人が1人ずつ関与している可能性があるという。

 仏当局はこの仏人の身元をマキシム・オシャール(Maxime Hauchard)容疑者(22)と断定。仏北部の小さな村の出身で、昨年8月にシリア入りしたとされる。

 仏検察当局は「イスラム国が16日に公開した動画に写っているシリア人捕虜らの斬首に仏人1人が関与したことが、状況証拠により確認された」と発表。さらに、もう1人別の仏人が写っている可能性もあるが、その人物の身元はまだ特定されていないとしている。

■イスラム国に加わったきっかけは「オンライン動画」

 オシャール容疑者は今年7月、仏テレビ局のインタビューに応じ、インターネット上に公開された動画を見てイスラム国に加わる決心をしたと告白。「ここにいる全員が目指しているのは、シャヒード(イスラム教の殉教者)(になること)だ」と語っていた。

 イラクとシリアで勢力を広げるイスラム国には、外国人数千人が加わっているとされる。専門家らによると、この外国人らが最も暴力的で残忍な戦闘員に数えられることも多いという。(c)AFP/Sara Hussein