【11月17日 AFP】ロシア外務省は17日、同国の外交官がポーランドから国外退去処分を受けた報復として、ポーランドの外交官数人を国外退去処分とした。今回の退去処分の応酬では、両国ともに理由として外交用語で諜報活動を指す「地位にふさわしからざる行為」を挙げている。

 これに先がけ、ポーランドのメディアは、ロシアの外交官数人が「地位にふさわしからざる行為」によって国外退去処分となったと報じていた。

 露外務省はこの報道が事実であることを認め「ポーランド当局は真に非友好的で、まったく根拠のない措置をとった」と非難し「ロシア側もこれに相当する措置をとった。多くのポーランド外交官が『地位にふさわしからざる行為』により、すでにわが国の領土から立ち去った」と発表した。詳細については触れていない。

 ポーランドのグジェゴシュ・スヘティナ(Grzegorz Schetyna)外相は、北大西洋条約機構(NATO)の本部があるベルギーのブリュッセル(Brussels)で取材に応じ、ロシアの措置は、ポーランドに対する対抗措置だと捉えていると語った。ポーランド通信(PAP)によると、同外相は「わが国にとって、この件はこれで終了だ」と述べた。

 このところロシアは、ウクライナ問題で国際的な孤立を深めている一方で、現在NATOに加入している旧ソ連諸国の市民にスパイ疑惑をかけることが目立っている。露テレビは16日、ラトビアの元議員がスパイ容疑でロシアから強制退去処分となったと報じた。また露当局は、エストニアの警官にスパイ疑惑をかけ、欧米諸国の指導者たちの釈放要求にもかかわらず、9月以降拘束を続けている。(c)AFP