■「安定したプレー」がビッグ3への道

 錦織は今季、6度の決勝進出のうち4勝を挙げる活躍で、世界のトップ5入りを果たした。

 今後の錦織が目指していくのは、10年以上トップに君臨するジョコビッチ、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)といった選手のような、安定したプレーだろう。

 錦織は、「本当に驚くべきことです。ノバク、ラファ、ロジャーは、一年で数回グランドスラムで優勝します」と先輩選手への憧れを語り、「全米オープンで7試合戦う中で、ものすごい重圧を感じました。一年を通して、どうやってその重圧と戦っているのか、見当もつきません」と感嘆した。

「グランドスラムで簡単に準決勝や決勝に進めるということはありません。約束されているものではありませんから」

「そこにたどり着くには、もう少し経験が必要でしょうね。でも、ランクが上がればモチベーションも上がります」

 まだビッグ3のレベルには達していないことを実感している錦織だが、15日のジョコビッチ戦を見る限り、そう遠い未来ではないのかもしれない。

「この3選手と戦うのは本当に厳しい。ベースラインからコンスタントに攻めてきます」

「(ジョコビッチが)第2セットを落としても集中力を失わなかったように、彼は勝つために何が必要なのかを知っている」

「経験値も高いですし、タフな相手です。でも、確実に近づいている気がします。今年はロジャーとノバクに勝ちました。勝てない相手ではないのです」

(c)AFP/Steven GRIFFITHS