米グーグル、密漁船監視ツールを開発 世界公園会議で発表
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【11月17日 AFP】米グーグル(Google)はこのたび、違法操業する漁船に対応するためのツールを公開した。衛星データを利用し、数千隻の船をリアルタイムで追跡することが可能で、密漁の取り締まりに貢献できるという。豪シドニー(Sydney)で14日に開幕した国際自然保護連合(IUCN)世界公園会議(World Parks Congress)で公開された。
現時点ではまだプロトタイプだとされるが、開発には、非営利団体(NPO)の米スカイトゥルース(SkyTruth)と国際海洋保護団体オセアナ(Oceana)が協力している。GPS(全地球測位システム)から船舶の位置情報を受信し、その動向を把握する船舶自動識別装置(Automatic identification system、AIS)のネットワークが示すデータ点を利用するとされる。
このツールについて、スカイトゥルースのジョン・エイモス(John Amos)理事長は、違法に操業する漁船を監視するためのものと説明。通常は目視が不可能な海上での船舶の活動を、市民らに幅広く公開するものになると語った。「公海で起きていることの大半は見ることができない。そのため現状を理解することは難しく、海で起きている現実を世界に伝える上で大きな障壁になっていた」
非政府組織(NGO)の世界海洋委員会(Global Ocean Commission)によると、密漁が世界経済にもたらす損失は年間235億ドル(約2兆7200億円)に上るという。(c)AFP