【11月14日 AFP】(一部更新)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は14日、ミャンマー最大野党・国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)党首と、同国の旧首都で最大都市のヤンゴン(Yangon)にあるスー・チー氏の自宅で会談した。

 首都ネピドー(Naypyidaw)で開催されていた東アジアサミット(East Asia Summit)に出席したオバマ氏はこの日、ヤンゴンに移動。軍政下で2010年までスー・チー氏が自宅軟禁されていた湖畔のスー・チー邸で、2012年に続き2回目となるノーベル平和賞受賞者同士の会談に臨んだ。

 会談後の共同記者会見で、オバマ大統領はミャンマーの民主化について「決して完了してはおらず、後戻りもできない」と警告。「自由、公正、包括的」な選挙の実施を要請した。

 一方のスー・チー氏は、なかなか進展しない民主化プロセスについて「楽観主義と悲観主義の健全なバランス」を強く求めた。

 ミャンマーでは来年末、国の将来を左右する総選挙が予定されており、スー・チー氏が率いるNLDの圧勝が大方予想されている。だが同国の現在の憲法では、配偶者または子どもが外国籍の場合は大統領に就任することができないと定められており、すでに亡くなった夫が英国籍で、2人の息子も英国籍を持つスー・チー氏は大統領選への出馬を阻まれている。

 スー・チー氏は、大統領資格に関する憲法条項について「不公平で不当であり、非民主的」と述べ、「特定の1人の国民を差別するのは間違っている」と非難している。

 スー・チー氏がこの条項の撤廃を目指す中、オバマ氏の訪問はスー・チー氏を支持する動きと捉えられる。(c)AFP