【11月11日 AFP】中国・北京(Beijing)でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催される中、同国で人気の高い「大気汚染観測アプリ」の開発会社が、北京市当局から米国大使館が提供しているデータを削除するよう命じられたと明かした。アプリを開発した「フレッシュ・アイデア・スタジオ(Fresh-Ideas Studio)」の広報担当者が11日、AFPの取材に対し語った。

 北京市は推奨される暴露限界値をはるかに超える粒子状物質(PM)を含み、鼻を突く、息も詰まるほどの煙霧にたびたび見舞われており、市民の怒りが募っている。

 北京市も大気汚染に関するデータを発表しているが、米大使館が独自に観測し発表しているデータの方が信頼性が高いと広く考えられている。

 APECが行われている2日間、当局は大気汚染を抑えるために、北京市と周辺地域で厳しい交通制限を課している他、工場に一時停止を命じ、公務員には休暇を与えている。

 同社代表はメール回答で「米国大使館が発表している大気環境のデータを、当社のソフトウエアから提供し続けることができなくなった」と述べている。ただし11日の時点で、該当する米大使館のデータが掲載されている米国務省のウェブサイトには中国国内からアクセスできている。(c)AFP