【11月10日 AFP】ウクライナ東部で9日、同国からの分離独立を掲げる親ロシア派勢力の陣地へ向かう軍用車両の隊列が目撃された。親露派が掌握する東部ドネツク(Donetsk)では同日、激しい砲撃が起きており、全面的な戦闘再発の懸念が高まっている。

 AFP記者によると、政府軍と親露派との銃撃戦が頻発するドネツクでは同日未明、市中心部近くで約2時間にわたり迫撃砲の音が鳴り響き、午後も市の周縁部で砲撃が続いた。

 AFP取材班の一人は、ナンバープレートやマークのない軍用車両20台と榴弾(りゅうだん)砲14門の車列が、親露派の町マキイフカ(Makiivka)を通過して近くにあるドネツク周辺の前線に向かって行くのを目撃した。

 前日の8日には、欧州安保協力機構(Organization for Security and Cooperation in EuropeOSCE)が、所属不詳の戦車と兵員輸送車の複数の隊列がウクライナ東部の親露派掌握地域を移動しているのを同機構の監視員が目撃したことを受け、懸念を表明していた。

 ウクライナ軍は、目撃情報に先立つ7日、戦車や重火器からなる大規模な部隊が、ロシアから親露派の掌握する国境地帯を越えてウクライナ入りしたと発表していた。ロシアはウクライナ東部の戦闘への関与を否定しているが、親露派への政治的・人道的支援を提供している。また、親露派がこれほどまでに高度で整備も行き届いた兵器をどのようにして入手しているのかは定かではない。(c)AFP/Nicolas MILETITCH