【11月9日 AFP】北朝鮮で拘束されていた米国人のケネス・ベ(Kenneth Bae)氏(46)とマシュー・ミラー(Matthew Miller)氏(24)の2人が解放され、米国に向けて帰国の途に就いたことが分かった。米国務省が8日、発表した。

 北朝鮮は先月、拘束していた米国人のジェフリー・ファウル(Jeffrey Fowle)氏(56)を解放していたため、北朝鮮が拘束していた米国人3人はこれで全員が解放されたことになる。

 米国務省は声明で、ジェームズ・クラッパー(James Clapper)米国家情報長官が北朝鮮を訪問し、2人の解放に向けて北朝鮮側と交渉していたと明らかにするとともに、北朝鮮に対してなんらの見返りも与えていないと発表した。

 ベ氏は2012年11月に拘束され、北朝鮮政府の転覆を図ったとして有罪になり、15 年の労働教化刑を言い渡されていた。ミラー氏は、入国管理局で査証(ビザ)を破り捨てて亡命を要求したとして今年4月に拘束され、最高裁判所から6年の労働教化刑を言い渡されていた。

 米政府は、外交的な譲歩を引き出すために米国人を政治的に人質に取っているとして北朝鮮政府を批判していた。

 北朝鮮は、北朝鮮の核開発問題をめぐり米国などが参加する6か国協議の再開に関心を示していたが、米政府はそのためには北朝鮮側がまず非核化に向けて目に見える動きを取るべきだと主張していた。

 ある米国務省関係者は8日、6か国協議に対する米国の姿勢は変わっておらず、北朝鮮はまず非核化に向けて約束した事項を実施する用意がある姿勢を示し、国内の人権状況改善にも取り組むべきだと述べた。(c)AFP

※これまでケネス・ベ氏の年齢を42歳としていましたが、同氏の姉妹によって46歳と確認されましたので、この記事では46歳と記載しています。