【11月8日 AFP】ウクライナ政府は7日、同国東部の親ロシア派武装勢力が掌握しているルガンスク(Lugansk)地域に、兵士を乗せたトラックや戦車など数十台が、ロシアから国境を越えて入ってきたと発表した。

 ウクライナ軍のアンドリー・リセンコ(Andriy Lysenko)報道官によると、戦車32台、榴弾(りゅうだん)砲16門、兵士と装備を積んだトラック30台の隊列が6日、国境を越えてルガンスク地方に入ってきた。同報道官はさらに、移動式レーダー3台を含む別の車列も同地域に侵入してきたと付け加えた。

 北大西洋条約機構(NATO)はこの最新の侵入について未確認だとしているが、NATOのある軍関係者は、ウクライナ政府の発表が事実だとすれば、ウクライナ情勢を不安定化させるロシアの侵略と直接介入をさらに証明するものだと述べた。

 リセンコ報道官は、過去24時間にウクライナ政府軍と親ロシア派間の衝突で、ウクライナ兵5人が死亡し16人が負傷したと述べ、約2か月前に結ばれた停戦合意が有名無実化していることが改めて浮き彫りになった。

 親ロシア派の拠点となっているドネツク(Donetsk)市当局によると、同地では破壊された空港付近の2か所で夜間に砲撃があり、砲弾の破片で15人の民間人が負傷した。AFPの記者が伝えたところによると、戦略的な輸送の中心である同空港の周辺では7日遅く激しい砲撃が再開されていた。空港には政府軍部隊がとどまって抵抗を続けている。(c)AFP/Max DELANY with Nicolas MILETITCH in Donetsk