【11月7日 AFP】インターネット小売り大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は6日、質問への回答や最新ニュース、音楽再生やスケジュール管理などにいつでも応じてくれるスピーカー型の家庭用仮想アシスタント、「アマゾン・エコー(Amazon Echo)」を発表した。

 アマゾン・エコーは「アレクサ(Alexa)」というクラウドベースの人工知能を使用する。米アップル(Apple)のモバイル端末対象の仮想アシスタント「Siri」に対抗する狙いがあるとみられる。

 アマゾン・エコーは、同社から招待状を入手した人のみが購入でき、価格は同社の会員制有料サービス「アマゾンプライム(Amazon Prime)」の利用者は99ドル(約1万1000円)、それ以外の人は199ドル(約2万3000円)。

 購入に必要な招待状は、同社の専用ウェブページでリクエストできる。同ウェブページでは、「エコーの頭脳はアマゾンウェブサービス(Amazon Web ServicesAWS)上で運用されているクラウドの中にあり、常に学習し、新しい機能を徐々に付け加えていく」と説明されている。

 オンライン上の実演ビデオには、「アレクサ」という呼びかけに続く質問や命令に、女性の声が応答する様子が映っている。アマゾンによれば、音楽を再生中であっても、筒型のスピーカーに内蔵された複数のマイクによって質問や命令をした人の声を識別できるという。

 エコーはブルートゥース接続が可能。ワイヤレスでインターネットに接続して、ニュースや天気予報、ストリーミング音楽などさまざまなコンテンツにアクセスできる。

■「スマートホーム」の中核を狙う

 調査会社フォレスター・リサーチ(Forrester Research)のアナリスト、ジェームズ・マッキビー(James McQuivey)氏によると、アップルやグーグル(Google)といったインターネット大手は、自社のプラットフォームを、エンターテインメントや情報、室温、照明をスマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末でコントロールする「スマートホーム」の中核にしようと熱心に事業を進めている。

 アマゾンは、市場での競争力を高めるためタブレット端末「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」を発売したものの消費者の関心をそれほど集めていなかっただけに、競合他社はアマゾン・エコーの発売で隙を突かれたようだと同氏は語っている。(c)AFP