【11月5日 AFP】豪メルボルン(Melbourne)で行われた競馬のG1レース、メルボルンカップ(Melbourne Cup)で本命馬だったアドマイヤラクティ(Admire Rakti、牡6)の死因が、急性心不全だったことが初期検視の結果で明らかとなり、むちの使用禁止を求める声が再燃している。

 アドマイヤラクティは4日に行われた同レースの最終ストレートで大きく遅れ、その後馬房で倒れて死んだ。

 競走馬保護連合(Coalition for the Protection of Racehorses)は、競走馬は無理強いをさせられすぎているとし、騎手によるむちの使用禁止を求めている。同連合は、オーストラリアの競馬場では昨年8月1日から今年7月31日の間に125頭が死んでいると発表している。

 同連合は、「われわれは、むちを使用することによって馬を肉体の限界に追い込んでいると考えている。そして、2歳で調教下に置かれることが、なぜ競馬場で馬たちが故障するのかという点の重要因子だ。競馬界にはむち無しでのレースを始めることと、2歳馬の競走を段階的に取りやめることを求める」とする声明を発表している。

 一方で、レーシング・ビクトリア(Racing Victoria)の主任獣医師を務めるブライアン・スチュワート(Brian Stewart)氏は、過度のむち打ちがアドマイヤラクティの死因ではないと明かした。

 オーストラリア放送協会(Australian Broadcasting CorporationABC)のラジオに対しスチュワート氏は、「騎手は苦痛を和らげるためすぐさまむちを離し、馬上で力を抜いた。むちが関わっているという疑問は、この件に関してはない」とコメントしている。

 またスチュワート氏は、SENラジオ(Sports Entertainment Network)に対し、メルボルン大学(University of Melbourne)で行われた初期検視の結果、アドマイヤラクティの死因は心不全だったと語っている。

 検視結果の全容は来週にも発表される予定となっている。(c)AFP