【11月5日 AFP】ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は4日、親ロシア派武装勢力による掌握範囲のさらなる拡大を阻止するため、東部で再軍備と部隊の増派を実施すると発表した。

 首都キエフ(Kiev)で開かれた国家安全保障国防会議の緊急会合でポロシェンコ大統領は、7か月に及び4000人以上が犠牲になった衝突を終わらせるために親露派と締結した停戦合意をほごにするつもりはなく、「ウクライナは和平計画を支持し続ける」という方針を表明。一方で、ロシアも支持を表明している停戦合意の「他の当事者ら」(ロシアと親露派)が義務を果たしていないと指摘した。

 ポロシェンコ大統領は、分離独立を訴える武装勢力は新たな攻撃を仕掛ける構えを繰り返し見せており、それが実行された場合も政府軍の応戦準備は整っていると警告。黒海(Black Sea)に面したマリウポリ(Mariupol)や北東部のロシアに近いハリコフ(Kharkiv)といった都市を守るため、軍隊を派遣したと述べた。

 国家安全保障国防会議のこの緊急会合は、東部の分離独立派が独自に選挙を2日に行ったことを受けて招集された。ロシアはこの選挙を容認しているが、ウクライナ政府をはじめ米国や欧州連合(EU)の主要国、国連(UN)事務総長はこれを非難している。

 ポロシェンコ大統領は、この独自選挙によって、9月に締結された停戦合意の主要条項だった親露派の自治権拡大は「粉砕した」との考えを示した。(c)AFP/ Sebastian Smith and Oleksandr Savochenko, with Alexander Khudoteply in Donetsk