HIV陽性女性へ強制不妊術の事実、ナミビア最高裁が認定
このニュースをシェア
【11月4日 AFP】アフリカ南西部ナミビアの最高裁は4日、国立病院で出産したヒト免疫不全ウイルス(HIV)陽性の女性3人が、インフォームドコンセント(十分な説明に基づく同意)なしに強制的に不妊手術を施されたことを認めた下級審判決を支持し、国側の控訴を棄却した。人権活動家らはこの決定を、アフリカ全体の女性の勝利だと称えている。
ピーター・シブテ(Peter Shivute)最高裁長官は、医師らは女性たちに対する不妊手術を行うべきではなかったとし、賠償について検討するよう国に命じた。女性側は1人100万ランド(約1000万円)の賠償を求めていた。
HIVに感染した女性たちを支援している「ナミビア女性の健康ネットワーク(Namibian Women's Health Network)」のジェニファー・ガツィ・マレ(Jennifer Gatsi Mallet)代表は、こうした例は氷山の一角で、最高裁の判断は「ナミビアの公立病院でHIV陽性の女性に対し、本人の同意を得ない強制的な不妊手術が行われてきた」証拠だと述べた。
また「南部アフリカ訴訟センター(Southern Africa Litigation Centre)」は今回の判決について、アフリカ中で強制不妊手術を施されているHIV陽性の女性たちに広範な影響を与える結果だと評価。同センターのプリティ・パテル(Priti Patel)副所長は「アフリカの各国政府に、強制不妊手術を止めるための具体的行動を起こさなければならないと明確なメッセージを送る判断だ」と語った。(c)AFP