【11月4日 AFP】トルコ・イスタンブール(Istanbul)沖の黒海(Black Sea)で3日、定員を大幅に超える人々を乗せ欧州連合(EU)水域を目指していた船が沈没し、子どもを含む少なくとも24人が死亡、十数人が行方不明になっている。トルコ当局が明らかにした。

 難民の多くは欧州でのより良い生活を夢見ていたアフガニスタン人とされる。NTVテレビは、ルーマニアを経由しより豊かな欧州諸国を目指すとされていたこの船の運賃として、密航者らが密入国業者らに1人当たり7000ユーロ(約100万円)を支払ったと伝えている。

 この小型モーターボートには定員の4倍以上に当たる約40人が乗船していたという。うち12人は子どもだった。

 沿岸警備隊の声明によると、船からは6人が救出され、24人の遺体が収容された。さらに行方不明者十数人の捜索活動が続けられているという。

 船が沈んだのは、世界でも最も通行量の多い水路の一つとされるボスポラス(Bosphorus)海峡の北側の入り口の北3カイリの地点。船はこの海峡のマルマラ海(Marmara Sea)側に面したイスタンブール郊外のバクルキョイ(Bakirkoy)から出港した。トルコメディアは、死者のうち1人は乗員か、密入国業者だった可能性もあると報じている。

 トルコには、より良い暮らしを求めて欧州を目指す不法移民が多く集まっている。しかしその旅路は危険と背中合わせで、欧州へ向かう途中に水死した人は近年だけでも数百人に上っている。

 現在EUでは、危険な密航を奨励することにつながりかねないという観点から、難民救出活動の継続の是非を問う議論が高まっている。英国は先週、EUが計画している地中海(Mediterranean Sea)での難民救出活動を支援しない方針を発表。またイタリアも先月31日、地中海で難民数万人の命を救ってきた捜索救出作戦の終了を宣言した。(c)AFP/Stuart WILLIAMS