【11月3日 AFP】オーストラリアの小さな町で、パブに軽飛行機で乗り付けてビールを注文した男性が3日、警察の事情聴取を受ける羽目になった。

 この騒動が起きたのは、ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州ピルバラ(Pilbara)地域にある炭鉱の町ニューマン(Newman)。町の住民は、主翼のない米ビーチクラフト(Beechcraft)製2人乗り軽飛行機がメーンストリートを走り、地元のパブに横付けするのを目撃して仰天したという。

「町に戻ってきたら、パブの前に飛行機が止まっていたんだ」と、住民の1人はオーストラリア放送協会(Australian Broadcasting CorporationABC)の取材に語った。「おまけに、お巡りさんが機内に頭を突っ込んでいたんだよ。免許証を持っているか聞いているみたいだった」

 町はすぐこの話で持ち切りになったが、警察は面白い出来事だとは思わなかったようだ。ニューマン警察署のマーク・マッケンジー(Mark McKenzie)巡査部長は「非常にばかげた振る舞いだ」と記者団に述べた。問題の軽飛行機はプロペラで前進し、フットペダルで針路を変更するタイプだが、なぜ主翼が外されていたのかは不明という。

「子供たちが学校から帰宅する時間帯だった。とても厄介なことになりかねなかった。もし強風が吹けば、翼のない機体は不安定になる」とマッケンジー巡査部長は説明し、「人々は面白おかしい出来事と考えているようだが、非常に危険な状況だった」と苦言を呈した。

 警察は、男性が違法行為を犯していなかったかどうか捜査しているという。軽飛行機は離陸しておらず、交通事故も起こしていない。また、男性は現場での呼気アルコール検査もパスしたという。

「ちょっと変わった事件なので、適当な罪状は何かを検討している」と地元警察官の1人は語った。ちなみに、地元紙によるとパブの店員たちは、思いがけない方法で来店したこの男性を「レジェンド(伝説)」と呼んでいるという。(c)AFP