シエラレオネ地方部でエボラ感染拡大、最大9倍増 報告書
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【11月3日 AFP】エボラ出血熱感染が広まっているシエラレオネの一部地方では、感染拡大の速度が2か月前に比べて最大9倍に増加していることが、「アフリカ・ガバナンス・イニシアチブ(Africa Governance Initiative、AGI)」の2日の報告書で明らかになった。
AGIの報告書によると「リベリアでの感染状況は減速傾向にあると思われる一方、シエラレオネの一部地域では、エボラ感染は今も恐るべき速さで拡大を続けている」という。AGIは、トニー・ブレア(Tony Blair)元英首相が立ち上げたアフリカ支援組織。
首都フリータウン(Freetown)周辺の農村部では、1日当たりの新たな感染件数が9月上旬では平均1.3件だったのに対し、10月末には平均12件となり、2か月間で約9倍の増加を示したと報告書は指摘。またフリータウンでも、感染は速いペースで増加しており、1日の患者発生数の平均は2か月前に比べて6倍になっている。分析結果は、同国保健省が記録した感染件数の3日間での平均値に基づいている。
AGIによる報告書の発表に先立ち、米国の国連大使は、一部地域における感染拡大ペースの減速と埋葬習慣の改善を歓迎する見方を示していた。
AGIは「事態は変化している一方、状況は依然として『深刻な危機』にある」と述べている。
世界保健機関(World Health Organization、WHO)発表のデータによると、同機関が記録しているエボラウイルスの感染者は1万3000人を超え、5000人近くが死亡しているという。だが感染者と死者の実際の数はこれよりもはるかに多い可能性があることをWHOは認めている。(c)AFP