【11月3日 AFP】パキスタン東部ラホール(Lahore)近郊ワガ(Wagah)のインド国境にある検問所近くで2日、自爆攻撃があり、少なくとも55人が死亡、120以上が負傷した。地元警察幹部がAFPに明らかにした。

 同検問所では毎夕、軍による華やかな国旗降納式が行われ、印パ両国側に外国人観光客を含め数千人の見物人が集まる。自爆攻撃は、式が終わった後、国境より少し離れた場所で起きたもようで、式を見終わり会場を出た大勢の見物人が巻き込まれた。

 ラホールのあるパンジャブ(Punjab)州はパキスタンで最も豊かで人口の多い地方で、ナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)首相の選挙地盤だが、このような攻撃が起きることはまれ。今回の事件は、昨年9月に北西部ペシャワル(Peshawar)の教会で80人が死亡した自爆攻撃以降、同国で最多の死者を出した攻撃となった。

 事件には複数の組織が犯行声明を出しており、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」の傘下組織でここ最近進む分裂を浮き彫りにしている。

 昨年の米軍無人機攻撃でハキムラ・メスード(Hakimullah Mehsud)指導者を失ったTTP分派組織のスポークスマンは、メスード氏を殺害された報復として攻撃を行ったと表明。一方、9月にTTP主導部から分派した「ジャマト・ウル・アハラル(Jamat-ul-Ahrar)」は、この主張を否定した上で、北ワジリスタン(North Waziristan)部族地域での軍事作戦に報復したとして、独自の犯行声明を出している。さらに、各テレビ局は「ジュンダラ(Jundullah)」と呼ばれる第3の分派組織による犯行声明を放映している。(c)AFP/ Waqar Hussain