【10月31日 AFP】オーストリアのウィーン(Vienna)にある広大な墓地「Zentralfriedhof(中央墓地)」に今月、31日のハロウィーンを前に、「葬儀ミュージアム(Funeral Museum)」が再オープンした。

 死に対する特異な考え方で知られるウィーン。地元の歌の一節は「死神はウィーン人に違いない」と述べる。1967年に開館した葬儀ミュージアムは、この種の博物館として世界で初めてだった。

 敷地面積で欧州2位、埋葬されている遺体の数約300万は欧州一の中央墓地。その敷地内の別の場所に再オープンした同博物館は、デジタル時代に向けて改修された。

 博物館の展示品は約250点。その多くは豪華な品々で、ウィーンの人々にとって金に糸目を付けずに良い葬儀をすること──ウィーンの人々の言い方では「美しい遺体」──がいかに重要だったかを物語っている。

 展示品には、デスマスクやひつぎの数々が含まれている。その中でもとりわけ奇怪なのは、生きているのに誤って埋葬された場合に鳴らすために、埋葬された遺体にひもでつながれて地上に設置された鐘と、間違いなく死んでいることを確かめるために心臓に刺したという特製のナイフだろう。

 他に目を引くのは、神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世(Emperor Joseph II)が1784年に経費節約を目的に導入した、底部が開き戸になっている再利用可能な木製のひつぎだ。(c)AFP/Thomas BACH